大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)2864 判決

主 文

第一審判決及び原判決を破棄する。

被告人を懲役三月に処する。

押収にかかる黒砂糖一五〇斤の換価代金五九二八円はこれを没収する。

原審及び当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

昭和二一年勅令第三一一号違反の事実について被告人を免訴する。

理 由

弁護人吉本英雄の上告趣意(後記)は、刑訴第四〇五条に当らない。

しかし、職権で調査するに被告人が昭和二四年六月一〇日正午頃臨時北部南西諸

島政庁管下の鹿児島県大島郡a港において正規の引揚船でない発動機船A丸に乗船

し、同月一四日一二時頃佐賀県藤津郡b村大字c字d海岸に上陸し不法に入国した

との公訴事実については、昭和二七年政令第一一七号第一条第二三号第一一七号に

より大赦があつたので、刑訴第四一一条五号、第四一三条但書、第三三七条三号に

より原判決を破棄し、被告人に対し右公訴事実について免訴の言渡をなすべきもの

とする。

よつて第一審判決が証拠により確定した右大赦にかからない事実に法令を適用す

ると、被告人の所為中関税法違反の点は同法第七六条第一項、罰金等臨時措置法第

二条に、同法違反幇助の点は右各法条のほか刑法第六二条第一項に、貿易等臨時措

置令違反の点は同令第一条、第四条罰金等臨時措置法第二条に、同令違反幇助の点

は右各法条のほか刑法第六二条第一項に各該当するところ、関税法違反と貿易等臨

時措置令違反、関税法違反幇助と貿易等臨時措置令違反幇助とは、いずれも一個の

行為で数個の罪名に触れる場合であるから刑法第五四条第一項前段、第一〇条によ

り関税法違反罪及び同法違反幇助罪の刑に従い、いずれも所定刑中懲役刑を選択し、

なお同法違反幇助については刑法第六三条、第六八条第三号により、法定の減軽を

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なし、以上は同法第四五条前段所定の併合罪であるから同法第四七条、第一〇条に

より重い関税法違反罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内で被告人を懲役三月に処

し、主文第三項掲記の押収物件は関税法第八三条第一項にようこれを没収すること

とし、訴訟費用の負担について刑訴第一八一条第一項に則り主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二七年八月二九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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